ホームレス増加の米ハワイ州が緊急事態宣言、家屋整備など
(CNN) ホームレス人口の増加に悩む米ハワイ州のデービッド・イゲ知事は16日、路上などでの生活を余儀なくされている住民の減少を目指した緊急事態を宣言する報道発表文を発表した。
同知事の報道官によると、州のホームレス人口は今年実施された調査によると推定7620人。数は他州に比べて少ないが、住民10万人当たりの比率では465人と、全米50州の中では最大の水準となっている。米国勢調査によると、ハワイ州の総人口は約136万人。
一方、米国のホームレス問題団体によると、カリフォルニア州のホームレス人口は約11万4000人、ニューヨーク州は8万人以上、テキサス州は約2万8500人となっている。
ハワイ州でホームレス問題の解決策を模索する幹部によると、同州では特にオアフ島でのホームレス増加が過去2年の間に目立つ。
今回宣言した緊急事態に基づき、居住先がない個人や家族を恒久的に収容する家屋へ迅速に移す計画に注力する。このため関連予算として130万ドル(約1億5000万円)以上を準備した。ホームレスの家族用の臨時の家屋の建設などを進める。
イゲ知事は同州のホームレス対策で最も欠けているのは家族の避難施設であると強調した。
同州では2013年、ホームレス対策が改善してないことに業を煮やした州議会議員が路上などに放置された、ホームレスも使うショッピング用カートをハンマーで相次いで破壊する騒ぎも起きていた。
米国内で非常事態の宣言は自然災害などの発生に伴う例が多いが、ホームレスのような社会問題に適用される事例もある。ロサンゼルス市も先月、ホームレス対策を狙った非常事態を宣言し、必要な財源として1億ドルの充当を表明した。同市では過去2年で、ホームレス人口が12%を記録したことも明らかにしていた。