12歳少年を射殺した警官ら、大陪審が起訴見送り 米国
捜査当局が公開した音声テープなどによると、通報者は銃が「たぶん」偽物で、持っているのは未成年者のようだと話していたが、この情報は警官らに伝わっていなかった。現場の公園では過去に勤務中の警官2人が射殺される事件も起きていたという。
少年の遺族は28日夜の声明で不起訴の決定に強く反発し、担当検事が「警官側の弁護士であるかのように振る舞った」と非難した。
遺族はまた、米国内で黒人が白人警官に射殺される事件が相次いでいることに言及し、「人種差別が今も米国にとって、また刑事司法制度にとって深刻な問題であることが示された」と主張。連邦司法当局による「真の捜査」を改めて求めた。
クリーブランド警察は今後、改めて内部調査を実施する。2人の警官は現在も職務を限定されているが、調査で内部規定違反などが認められた場合、何らかの処分を受ける可能性もあるという。
この事件では、発生から大陪審の審理までの捜査に1年以上の時間がかかったことも批判の的となっている。クリーブランド市内では28日夜、不起訴に抗議するデモ隊が道路を行進した。