米軍のミサイル、手違いでキューバに 軍事技術流出の懸念
ホワイトハウスのアーネスト報道官は8日、米紙ウォールストリート・ジャーナルの報道で事態が発覚したことを受け、「政府はこの問題を非常に深刻に受け止めている」と語った。
複数の関係者によると、米政府は1年以上前からキューバ政府に対してミサイルの返還を求めてきた。しかしキューバとの国交正常化に重点が置かれる中で、ミサイル問題については解決が長引いていた。
問題のミサイルは、2014年夏に行われた北大西洋条約機構(NATO)の演習に使うため製造業者がスペインに輸送。米国に返還される際、スペインのマドリードから米フロリダ州に輸送されるはずが、運送業者の手違いでパリを経由してキューバのハバナに輸送されてしまったという。
手違いに気付いた業者が米国務省に連絡を取り、回収へ協力を求めた。米国土安全保障省も、スパイなどの目的で故意にキューバに輸送された可能性がないかどうか、調査に乗り出している。