トランプ氏集会で無言の抗議、イスラム教女性が退場に
カリフォルニア州南部ロックヒル(CNN) 米大統領選で共和党の指名獲得を目指す実業家ドナルド・トランプ氏の集会で、同氏の演説中に無言のまま立ち上がって抗議したイスラム教の女性が警察に退場させられる出来事があった。
集会は8日、カリフォルニア州で開かれた。この女性は、航空会社に客室乗務員として勤務するローズ・ハミドさん(56)。イスラム教の女性が髪を覆うためのスカーフ「ヒジャブ」を着け、トランプ氏の真後ろの席に座っていた。
トランプ氏が演説で、シリアからの難民は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の関係者だと主張すると、ハミドさんは黙ってその場に立ち上がった。
これに対して周囲の参加者らがトランプ氏の名前を唱え、ハミドさんとそのわきに立つ男性を一斉に指差した。2人が退場させられる間も「出て行け」などと叫ぶ声が響いた。
陣営スタッフは開会前の説明で、抗議行動があった場合はトランプ氏の名を唱えるよう参加者に指示していた。
ハミドさんは退場後、CNNとの電話インタビューで「お前は爆弾を持っている、と繰り返し叫ぶ人もいた」「みるみる険悪な雰囲気になり、本当に恐ろしかった」と話した。