ウェストバージニア州予備選、その結果が意味するもの
今回は3月の対話集会で環境政策に絡んで「石炭企業をつぶす」と発言したことが、同州に多い炭鉱労働者らの反感を招いた。クリントン氏は先週の遊説で失言を認めて謝罪したが、すでに遅かったようだ。
民主党員らの出口調査で「オバマ大統領の政策を引き継ぐ候補者を望む」と答えた人は、27%にとどまった。今回の予備選を通して全米の有権者が示してきた既存政治への強い不満や変化への期待は、オバマ路線の継承を目指すクリントン氏にとって逆風となっている。
共和党のトランプ氏はこの日、ウェストバージニア、ネブラスカの両州で圧勝を収め、正式な指名獲得に必要な過半数の1237人のラインへ残り約100人にまで近づいた。
共和党の指名レースはすでに事実上決着がついている。しかしここで票を積み上げることによって、トランプ氏は党内保守派や主流派からの抵抗を跳ね返し、自身の下に党を結束させるための説得力を強めることができる。
特にネブラスカ州では、同州選出のサス上院議員がトランプ氏批判の先頭に立ってきただけに、勝利の意味は大きいといえそうだ。