米国へのテロ攻撃、真の脅威は「国内」に

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犠牲者をいたむ人々=オーランド

犠牲者をいたむ人々=オーランド

米当局によれば、マティーン容疑者はオーランドのナイトクラブに対する襲撃を実行する際に警察への緊急通報の中でISISへの忠誠を誓ったとされるが、同容疑者がシリアでISISから訓練を受けたという証拠は出てきていない。これは130人の死者を出した昨年11月のパリ同時多発テロや32人の死者が出た今年3月のベルギー連続テロのテロリストたちとは異なっている。

今分かっていることを基にすると、マティーン容疑者は、米同時多発テロ以降に米国に現れた他のジハーディスト(聖戦戦士)を名乗るテロリストと同じように見える。同時多発テロ以降、米国では300件を超えるジハーディストによるテロがあった。実行犯は、よく想像されるような短気な若者ではない。実行犯の平均年齢は28歳で3分の1が既婚者で、3分の1が子持ちだ。マティーン容疑者は、事件を起こしたときは29歳で、結婚を2度経験し、3歳の息子もいた。

ホームグロウン(国内育ち)のテロの脅威は、米国の法執行機関に複雑な問題を提示している。一匹オオカミ型のテロリストは、米諜報機関が盗聴できるようなタイプの通信手段である電子メールや電話などで外国のテロ組織と連絡することはない。彼らはまた、FBIが監視できるようなタイプの共謀者と会合を持つこともない。

マティーン容疑者のような実行犯の検知は、さらに複雑さを増している。事実、同容疑者は世界的なセキュリティー関連企業で勤務したことがあり、フロリダ州で警備員のライセンスも持っていた。このことは、ハサン被告と同じように、法執行機関からの疑いの目をそらしてしまった可能性もある。

オーランドの事件が我々に思い起こさせるのは、こうしたFBIのあらゆる捜査にもかかわらず、ときには米国人のテロリストが襲撃を成功させてしまう可能性があるということだ。

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