規制・流通・発生場所――米国で多発する銃乱射、その背景は
(CNN) 銃乱射事件でまた多くの命が奪われた。米フロリダ州オーランドのナイトクラブで50人が死亡した事件だ。米国は銃乱射の件数が世界のどの国よりもはるかに多いことが、最近の研究で明らかになっている。その背後にある理由はなにか。
アラバマ大学のアダム・ランクフォード准教授は昨年、米社会学会の年次総会で、銃乱射事件の発生状況について世界初の国際比較とされる研究を発表した。
この研究では、ギャングの抗争や家庭内で複数が殺害されたケースを除き、4人以上の犠牲者が出た銃乱射事件を数えた。それによると、1966~2012年に米国内で起きた銃乱射事件は90件。この期間に世界で発生した合計292件のうち、ほぼ3分の1を占めた。米国の人口は世界全体の5%にすぎない。
ランクフォード氏はさらに、それぞれの事件の記録を詳しく調べ、米国内で起きた事件の共通点をいくつか発見した。
例えば、米国では職場や学校で銃乱射事件に遭って死亡する確率が高い。これに対して米国を除く全171カ国での事件は、軍施設付近を中心に起きていた。
また米国内では、犯人が複数の銃を持っていた例が半数以上を占めた。他国では銃1丁のみというケースが多かった。