米、イランに4億ドル分の現金空輸 人質解放と同じ日
現金空輸の詳細が明るみに出たことを受け、共和党員からは改めてイランとの核合意を批判する声が上がった。批判者らはまた、今回の空輸は身代金の支払いにあたり、人質解放のために身代金を支払わないとする米国の長年の方針に反するとも主張。イラン国内に残る米国人の拘束を続け、解放のための要求金額をつり上げる動きにつながりかねないとしている。
共和党の大統領候補、ドナルド・トランプ氏もこの問題に言及。遊説先のフロリダ州デイトナで3日、「イランは大きな危機にあった。経済制裁もあり滅びかかっていた。われわれが制裁を解除し、このひどい核合意を結んだことで、今のイランは強国になっている」と指摘した。そのうえで4億ドルの支払いについて、人質解放のために支払われたとし、「オバマ氏が非常に悪い先例を打ち立てた」と批判した。
一方、民主党の大統領候補であるヒラリー・クリントン前国務長官はコロラド州デンバーで、地元テレビ局に4億ドルの支払いについて聞かれ、7~8カ月前に報道された件であり「もう古い話だ」と述べた。そのうえで「私の知る限り、人質交換などとは無関係だ」とした。
オバマ大統領は4日、米国防総省で記者会見を開き、4億ドルの支払いがイランに拘束されていた米国人の解放のために支払われた身代金に相当するとの見方を否定。米国が身代金を支払うことはないとの方針を強調した。