男が吸盤でトランプタワーをよじ登り逮捕 21階まで到達
ワシントン(CNN) 米ニューヨーク市マンハッタンにある「トランプタワー」で10日、男が巨大な吸盤を使ってビルの外壁をよじ登る事件があった。男は現地時間午後6時30分ごろ、21階に到達した後でニューヨーク市警の警官によってビル内に引っ張り込まれ、逮捕された。トランプタワーは米共和党の大統領候補、ドナルド・トランプ氏が所有する物件で、選挙陣営の本部が置かれている。
警察によると、男はバージニア州出身の20歳で、氏名は明かされていない。トランプ氏に会うのが目的だと供述しているという。男は長髪に野球帽という格好で、ビルを登るための器具を身につけガラス壁の建物を少しずつよじ登っていた。警察によると、逮捕後に精神鑑定のため病院に搬送されたという。
トランプ氏は当時、遊説のため米バージニア州に出向いており、トランプタワー内にはいなかった。
トランプ氏が経営する不動産会社の特別顧問は、「この男は危険でばかげた行為に及んだ」と指摘。建物への損傷も見られるとしている。
ニューヨーク市警は当初、男性をビル内に引っ張りこむ意図は今のところないと述べ、ビルの頂上に達する前に男性が疲れるのを待ちたいとしていた。男の直下や歩道に「エアバッグ」2個を設置する対策も取られた。
だが6時30分ごろ、警官2人が窓から強引に男を引きずり込んだ。男は抵抗するそぶりを見せたようだったが、無事にビル内に引っ張り込まれた。
男が登っている様子をソーシャルメディア上で伝えた見物人らによると、4時過ぎの時点で5階、5時ごろには16階に到達していたという。トランプタワーは58階建て。