「オバマ氏は米国生まれ」 トランプ氏がついに認める
ワシントン(CNN) 米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏は16日、オバマ大統領は米国生まれだとついに認めた。トランプ氏は5年前、オバマ氏が米国で生まれたことを疑問視する運動を展開し、国政進出の足がかりとしていたが、従来の主張を転換した。オバマ氏は1961年にハワイで生まれている。
トランプ氏は首都ワシントンのペンシルベニア通りに建設された新ホテルのお披露目を兼ねた集会に参加。集会の最後で、「オバマ大統領は米国で生まれた。以上」などと短く述べた。トランプ氏は事前に記者会見を開く意向を示していたが、報道陣の質問には答えなかった。
ただ、この問題はすぐには収束しそうにない。トランプ氏は、オバマ氏の出生地を疑問視する「バーサー運動」絡みの論争を始めたのは民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官だとする批判を継続している。
クリントン氏は同日、トランプ氏の発言に先立ち、オバマ氏が米国生まれだと認めるだけでは十分でなく、トランプ氏は謝罪をする必要があると指摘した。
トランプ氏はバーサー運動を主導したことに関し謝罪していない。また、見解が変わった理由についても説明しなかった。オバマ氏は同日、ホワイトハウスで報道陣に対し、「自分の出生地については自信を持っていた」と冗談交じりに述べた。
トランプ氏は15日、米紙ワシントン・ポストとのインタビューで、オバマ氏が米国生まれであることを認める準備はまだできていないと発言。これを受け、バーサー運動をめぐる論争が激化していた。トランプ陣営はこの数時間後、広報担当者の話として、トランプ氏はオバマ氏が米国生まれであると認めるに至ったと述べていた。