有志軍のシリア軍空爆 米が遺憾表明、「意図せぬ人命喪失」
(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」掃討作戦が進むシリアで、米軍主導の有志連合による空爆でシリア軍兵士が死亡したとされる件で、米政府高官は17日遅く、米国が「意図せざる人命の喪失」について遺憾の意をロシア側に伝えた。
米軍によれば、有志連合は当初、ISISの戦闘員を対象に空爆を実施しているものと考えていたという。だがその数時間後、シリア政府軍の兵士らを空爆していた可能性があると発表した。
中東地域を管轄する米中央軍は声明で、有志連合は事前にロシア軍と協議して空爆を行ったと指摘。「標的となっている人員や車両がシリア軍のものである可能性をロシア当局者から指摘され、有志連合による空爆はその段階で即座に中止された」と述べた。
米中央軍によれば、シリアは多様な軍事勢力や武装勢力が密集しており複雑な状況だが、有志連合が意図的にシリア政府軍の部隊を狙うことはないとしている。
非政府組織のシリア人権監視団(本部・英国)によれば、空爆により、83人が死亡、少なくとも120人の兵士が負傷した。ロシアの国営スプートニク通信によれば、ロシア軍は、東部デリゾールの空港付近でシリア政府軍の兵士62人が死亡したと発表した。