第1回テレビ討論会終了、初の直接対決から見えた6つのポイント
クリントン氏は私用メール問題についての質問に対し、これまでより簡潔に「弁解はしない。あれはミスだった」と答えた。トランプ氏は「ただのミスではない。故意にやったことだ」と反論するにとどまり、突っ込んだ攻撃には出なかった。
その後もう1度だけ、自身の納税申告書の問題で、もしクリントン氏が問題のメールをすべて公開したら、自分も「弁護士に逆らって」申告書を公開すると宣言した。しかしこの時もすぐ次の話題に移り、最後までメール問題を蒸し返すことはなかった。
(6)両氏の仲は険悪
討論会からは、両氏の間に険悪な空気が流れていることが感じられた。残る2回の討論会ではさらに対立が深まりそうだ。
クリントン氏は「この人は女性をブタ、のろま、犬という言葉で呼んだ男だ」と語り、トランプ氏の女性に対する態度を批判した。
さらに、トランプ氏がかつてミス・コンテスト出場者を「ミス子豚」と呼び、中南米出身者だからと「ミス客室清掃係」とも名付けていたと非難した。トランプ氏は動揺した表情を見せ、2回にわたって「どこで知ったんだ」と尋ねた。
96年にミス・ユニバースとなったベネズエラ代表の女性が今年、米メディアとのインタビューで、トランプ氏からたびたび体格を嘲笑された経験を打ち明けていた。
トランプ氏は討論会終了後に報道陣との会見室に姿を見せ、クリントン氏の夫であるビル・クリントン元大統領の不倫スキャンダルにはあえて言及しなかったと強調した。元大統領本人や、夫妻の長女チェルシーさんが前列にいたため、今回は適切でないと判断したという。
クリントン氏は今後、討論会での健闘ぶりを持続的な支持につなげていく必要がある。トランプ氏にとって雪辱のチャンスとなる次回の討論会は、現地時間10月9日に予定されている。