第3回TV討論会、最後の直接対決から見えた5つのポイント
これは、今夜の討論会で最大の瞬間だった。もしかしたら、3回の討論会すべての中でも。選挙に敗北した場合、敗北を受け入れないというアイデアによって、トランプ氏は、クリントン氏追撃のための貴重な時間をこの問題に奪われることを許してしまった。
共和党員にはピンチ
トランプ氏は、11月に議会選を迎える共和党員たちをさらなるピンチに追い込んだようだ。
選挙まで3週間を切るなか、トランプ氏を擁護するのか、民主主義のプロセスの完全性を擁護するのか決断しなければならない。
共和党の議員は、副大統領候補でさえ目指さない場所をなぜトランプ氏が目指しているのか説明しなければならない。
共和党の副大統領候補マイク・ペンス氏は討論会の前、「我々は選挙結果を確かに受け入れるだろう」と述べていた。
トランプ氏の発言は、すでに同氏を拒絶している共和党議員たちから反発を受けた。グラハム上院議員(サウスカロライナ選出)はトランプ氏が共和党と米国に対し、大きな危害を加えていると指摘した。
トランプ氏支持を打ち出している保守系ラジオ番組の司会者ローラ・イングラハム氏でさえ、「トランプ氏は選挙結果を受け入れると発言すべきだった。再集計が必要な事態にでもならない限り、選挙結果を受け入れる以外の選択肢はない」と述べた。
トランプ氏にとって、保守的な人々が不機嫌になっても気にしないのかもしれない。しかし、大統領選本選に勝つのならば、共和党員が投票に足を運ぶ必要があり、議会の過半数を維持するためにも共和党は同じ有権者を必要としている。
「なんて嫌な女」
トランプ氏の最大の政治的課題は女性層で大きく後れを取っていることだ。しかし、討論会終盤のトランプ氏の発言は、そんな課題を抱えているとはとても思えないようなものだった。同氏はクリントン氏の発言中に割って入り、「なんて嫌な女だ」と言い放ったのだ。