トランプ氏、シリア難民入国禁止の大統領令 「イスラム過激派」排除へ
大統領令ではまた、難民申請者が「各国で少数宗派」に属する場合、宗教的な迫害を訴える難民の主張を優先的に取り扱ってもいいとする裁量を国土安全保障省に与えた。これにより、イスラム教徒が多数派の国から来たキリスト教徒や少数宗派の人々は、イスラム教徒よりも容易に入国できることが予想される。
トランプ氏は署名前に収録されたキリスト教系メディアとのインタビューで、迫害されているキリスト教徒を「助ける」と強調。「彼らの扱いはひどい。シリアのキリスト教徒が米国に入国することは不可能か、または非常に困難だ。イスラム教徒なら入れるかもしれない」「皆の首がはねられているが、キリスト教徒はさらにそうだ。非常にアンフェアだと思う」との認識を示した。
民主党員らはトランプ氏の今回の動きを批判。全イスラム教徒の入国を禁じるものではない可能性もあるとはいえ、それでも差別的だと主張した。民主党のシューマー上院院内総務は「米国建国時から存在してきた移民歓迎の偉大な伝統が踏みにじられ、自由の女神の頬には涙が伝っている」と述べた。
トランプ氏は同日、軍事支出を増大させ「米軍の偉大な再建を開始する」大統領令にも署名。マティス国防長官に対し、新型の航空機や艦船などの開発計画策定を開始するよう指示した。