米加州でダム決壊の恐れ、住民18万人超が避難継続
米カリフォルニア州オーロビル(CNN) 米カリフォルニア州北部にあるオーロビル・ダムの放水路が浸食によって損傷し、決壊の危険が高まったことから、下流の住民約18万8000人が避難した。状況はやや改善したものの、13日現在も避難指示は解除されていない。
避難指示は緊急用の放水路に巨大な陥没穴が見つかったことから12日に発令された。中には避難するまでにわずか数分の猶予しかなく、身の回り品だけかき集めて緊急避難した住民もいた。オーロビルに住むマギー・キャブレルさんは12日、CNN系列局KFSNの取材に対し、「誰もが駆け回っていた。大混乱だった」「通りはたちまち車であふれ、近所の人たちは持てるだけの物を持って自宅から飛び出し避難した」と話している。
カリフォルニア州では長期間にわたって干ばつが続いていたが、今年に入って豪雨と降雪に見舞われた。オーロビル湖を源流とするフェザー川には大量の雨水が注ぎ込み、シエラネバダ山脈から流れ込む水でオーロビル湖の水位も上昇していた。
カリフォルニア州水資源局によると、同ダムは米国一の高さをもつ。2つある放水路のうち、緊急用の放水路は、ダムが完成してからの48年間、1度も使われたことがなかったという。
同ダムではこれまでメーン放水路からオーロビル湖の水を放水して、この地域の洪水を防いでいた。しかしメーン放水路は浸食によって深さ12メートル以上ある巨大な陥没穴が開き、すぐには補修できない状態になった。
11日には湖の水位が容量の901フィート(約275メートル)を超えたため、最後の手段として緊急用の放水路を初めて使用した。