ホワイトハウス、英政府への謝罪を否定 盗聴報道の言及で
ロンドン(CNN) 英情報機関が昨年オバマ前米大統領の要請で当時大統領選候補者だったトランプ現大統領を盗聴していたとの報道をスパイサー大統領報道官が引用した件で、スパイサー氏は17日、ホワイトハウスは英政府に謝罪していないと述べた。
ただ、米政権高官はこれに先立ち同日、スパイサー氏とマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)がスパイサー氏のコメントについて英政府に実質的に謝罪したとCNNに明かした。スパイサー氏のコメントはホワイトハウスで16日に行われた記者会見で裏付けなく出されたもの。同氏はこの中で、英政府通信本部(GCHQ)が昨年の大統領選中、トランプタワーの盗聴に協力していたとする米FOXニュースの報道を引用していた。
スパイサー氏は17日午後、記者団に対し「我々は何も後悔していない」と発言。この問題をめぐり米政権から英政府に謝罪があったかとCNNの記者に聞かれると、「いや、我々は単に報道内容を伝えただけだ」と述べた。
ホワイトハウスの当局者は同日、CNNに対し、マクマスター氏が16日にスパイサー氏のコメントについて英国側と協議したことを明かした。協議は「和やか」な雰囲気で、マクマスター氏は、スパイサー氏のコメントは「意図的なものではない」と説明したという。
同当局者によれば、英当局者から16日に少なくとも2件の電話があった。ホワイトハウスの複数の当局者によれば、電話2件は英国のダロック駐米大使とグラント英首相補佐官(国家安全保障担当)によるもので、2人はそれぞれ別々にスパイサー氏とマクマスター氏に懸念を伝えたという。これに対し両氏は、スパイサー氏は公になっている報道に言及しただけで、特定の記事への支持を表明したわけではないと説明したという。
英当局者によると、ダロック大使はホワイトハウスで開かれたイベントでスパイサー氏と直接面会もした。会話の雰囲気は和やかではなかったという。