米政権、「壁」建設に10億ドルの予算請求へ 99キロ分
ワシントン(CNN) 米国のトランプ政権が選挙中の公約に掲げていたメキシコ国境での壁の建設費用として、10億ドル(約1100億円)の追加予算を求めていることが28日までに分かった。CNNが国土安全保障省から入手した文書で明らかになった。この資金を使って、まず国境線上62マイル(約99キロ)の区間にコンクリートの壁やフェンスを設置するという。
62マイルのうち、新たに壁を建設するのは48マイル。残りの14マイルは、既存のフェンスをコンクリートを部分的に含んだものに設置し直す。政府は上記の10億ドルのほか、来年の国境インフラ整備などに投じる26億ドルも併せて請求した。
米国とメキシコの国境線の全長は1954マイル。壁の建設には、総額で最大200億ドルの費用が掛かると推計されている。今回政府が初めて示した要求額は、コスト全体の規模を考えると控えめなものにとどまった。
トランプ大統領は選挙期間中、国境の壁について高さのあるコンクリート製のものを新たに建設し、費用はメキシコに負担させると公言していた。しかし国土安全保障省からは、向こう側が見通せるフェンスにするのがより安全な選択肢だとの声が上がっている。
予算請求の文書には、壁建設のほかにも拘留施設の拡充や法務関係の費用に数百万ドルを充てる計画が盛り込まれた。
また不法移民への取り締まり強化の結果として、関連する逮捕が50%、起訴が40%それぞれ増えたと強調している。
これらの数字の根拠について、移民・税関執行局(ICE)に問い合わせたが該当する情報はなかった。