米航空保安官、機内トイレに実弾入りの銃置き忘れ
(CNN) 旅客機内の治安維持に当たる米連邦航空保安官が英国から米国に向かう国際線で任務遂行中、実弾が装填(そうてん)された銃を手洗い室内に置き忘れ、後に入った乗客が見付け、乗務員に報告する不祥事が起きていたことが22日までにわかった。
CNNの取材で判明したもので、銃は無事に保安官に戻ったという。
この失態は今月6日、イングランド・マンチェスターからニューヨークのケネディ国際空港へ向かっていた米大手デルタ航空の221便内で発生。航空保安官当局には数日後に報告されたという。
同当局筋によると、銃を放置していたのは新人とも言える女性保安官。今回の過失を受け本来なら停職処分が科されるべきだったが、旅客機内での任務を続けているという。
CNNの取材に応じた航空保安官の経験者は、新規採用の要員は現在、現場での訓練を受けていない実情を指摘。今回の不祥事は、ベテランの保安官が同乗していれば防げた可能性があると強調した。
連邦航空保安官はこれまで貧弱な管理体制や機内の治安改善での実績不足などで批判の対象となってきた。同保安官当局筋によると、要員が搭乗する米航空会社のフライト便は国内外線の1%以下となっている。
CNNは2015年、長時間労働や過密な勤務日程に直面し、薬物やアルコール利用も起きている航空保安官の実態を報道。自殺や自殺未遂につながる勤務環境とも指摘していた。国内線搭乗の要員の75%が睡眠不足を訴え、国際線では85%と伝えていた。この報道は米運輸保安庁(TSA)が委託した調査報告書などに基づくものだったが、報告書は現在機密扱いとなり公開されていない。