米核施設でトンネル陥没、作業員ら一時避難 放射能漏れなし
(CNN) 米北西部ワシントン州にある核施設「ハンフォード・サイト」で9日朝、放射性廃棄物を貯蔵するトンネルの一部が陥没していたのが見つかった。連邦当局によると、負傷者や放射性物質の漏出は確認されていない。
通常の点検業務にあたっていた作業員らが、約6メートル四方の陥没に気付いたという。
トンネルは、かつてのプルトニウム抽出施設の隣にある。連邦当局は通報を受け、現地に緊急対策本部を設置した。
同施設にいた作業員は避難し、敷地内の3000人にも屋内退避の指示が出たが、数時間後にほぼ解除された。周囲の住民に影響はなかった。
エネルギー省の報道官はCNNに、「トンネルの崩壊は過去に例のない事態だ」と語った。
地震などは観測されず、陥没の原因は不明。同報道官は、安全を確認したうえで立ち入り調査を実施すると述べた。
ハンフォード・サイトでは第2次世界大戦中、長崎に投下された原爆のプルトニウムが生産された。原子炉は1987年までに全て閉鎖され、その後は除染作業が続いている。13年には6基のタンクから汚染水が漏れていたことが明らかになった。