トランプ政権が米国を「危険に」 WG事件記者が警告
ニューヨーク(CNNMoney) トランプ米大統領が連邦捜査局(FBI)のコミー前長官を解任した事態を受け、「ウォーターゲート事件」の調査報道で知られる米紙ワシントン・ポストの元記者、カール・バーンスタイン氏は14日、トランプ政権が米国を当時より「さらに危険」な状況に陥れる恐れもあると警告した。
バーンスタイン氏は1970年代に共和党のニクソン元大統領によるウォーターゲート事件を暴いた記者の1人。ニクソン氏は事件のもみ消しを図った末、辞任に追い込まれた。
一方、トランプ氏が先週解任したコミー氏は、ロシアの米大統領選介入疑惑やトランプ陣営とのつながりに関するFBIの捜査を指揮する立場にあった。
バーンスタイン氏はCNNの番組で、現状について「これまでに例のない」構図だと指摘。与党・共和党の議員らがコミー氏解任に対して強い疑問を投げ掛けていないことに懸念を示した。
同氏はウォーターゲート事件を振り返り、「当時の共和党議員は英雄だった。大統領が何をいつから知っていたのか、と追及したのはかれらだった」と主張。議員らは真実を求める一心で大統領弾劾(だんがい)を支持したと指摘した。
しかしトランプ氏に対しては、多くの共和党議員が内心批判的な考えを持っているものの、保守派指導部は口を閉ざしたり、支持に回ったりしていると述べた。
バーンスタイン氏はさらに、ジャーナリストの仕事はニクソン政権の時代より難しさを増していると指摘。同氏が追求してきたような「入手し得る最大限の真実」への関心は低下し、多くの人は自分がすでに持っている考えを強化するための情報を求めているとの見方を示した。