米州知事、立ち入り禁止命じたビーチを「独占」 批判気にせず
(CNN) 米ニュージャージー州のクリス・クリスティー知事が、一般の立ち入りを禁じたビーチを「独り占め」した状態で家族や友人と過ごしていたことが4日までに分かった。地元メディアが撮影した写真を見せられ、報道陣にそのことを問い詰められても、同知事は一向に気にする素振りを見せていない。
クリスティー知事は6月30日、予算案が州議会を通過しなかったことを受け、州内全域のビーチの閉鎖を命じた。ところがその2日後の7月2日、ビーチでくつろぐクリスティー知事一家の写真を地元メディアが上空から撮影。ビーチは知事が閉鎖を命じていたことから、ほかに人影はなく、知事一行の独占状態だった。
知事は当時、同地にある別荘に滞在中で、前もって発表していた予定通りに休暇を取っていただけだと釈明している。
この写真が撮影された後、知事は公用ヘリコプターで州都トレントンへ移動して記者会見に出席。一般の立ち入りを禁止したビーチにいたことを指摘されると、「今日は日光浴はしなかった」と応じた。
写真を見せられたクリスティー知事の広報も、「知事は日光浴はしなかった。ベースボール帽をかぶっていた」という説明だった。
クリスティー知事は3日、地元テレビ局の取材で再び写真について質問され、「政治家が一緒に過ごすと言っていた家族や友人と一緒にいるところを目撃されただけ。私が言った通りのことを言った通りの人たちとやっていたことを証明したんだから、ピュリツァー賞ものだね」と皮肉ってみせた。
今回の出来事は、クリスティー知事が有権者にどう思われようと気にしなくなっていることの表れといえる。米キニピアック大学の6月半ばの世論調査によると、クリスティー知事の支持率はわずか15%。米国の州知事の支持率としては同大の調査で史上最低だった。