新たな米大統領専用機、倒産のロシア航空会社の機材転用か
(CNN) 新たな米大統領専用機「エアフォースワン」を調達する米空軍がコスト面を考慮し、倒産したロシアの航空会社が発注したものの納入されず、保管された状態にある米ボーイング747ーB型2機の改造案を検討していることが3日までにわかった。
この問題の経緯に詳しい消息筋と米政府当局者が明らかにした。空軍は新型機を製造するより既存の機材を転用する方がはるかに安上がりとなるとの判断に傾いているという。
最終決定は下されていないが、今後数日間に合意に達する可能性があるという。
この2機は2015年、ロシアの航空会社「トランスアエロ」のために製造されたが、同社は同年10月に倒産して業務を停止。機材は納入されることなく現在は米カリフォルニア州ビクタービルのボーイング社の保管敷地に置かれているという。
消息筋などによると、同社は一時、2機のイラン航空への売り込みを試みたが失敗。CNNの取材に応じたボーイングの報道担当者は米空軍への2機の納入を働き掛けていることを認め、納税者には最良のコストになると指摘した。
一方、米空軍の報道担当者は、商業用の747−8型機2機の購入へ向けた協議の最終段階にあり、近く契約を交わせることへの期待を表明。ただ、トランスエアロ向けの2機購入の計画の有無については確認しなかった。
空軍がこの2機を確保すればばく大な節約につながるとみられる。大統領専用機の製造では内装がない商業用旅客機を土台に経費がかかる改造作業が進められる。軍事作戦に適するような大幅な機体改造となる。
現在のエアフォースワンは1990年に導入。トランプ大統領は新たな専用機の製造費が高過ぎると強く反発している。