オバマケア代替案、上院通過絶望的に 共和党で3人目の反対
(CNN) オバマ前政権が導入した医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃に向け、与党・共和党がまとめた新たな代替法案は、25日までに上院での可決が絶望的となった。同日午後に共和党議員1人が新たに反対を表明した。
法案を成立させるための採決の期限は今週末に迫っている。可決には上院の定数100のうち半数以上の賛成票が必要だが、共和党の上院議員52人のうち、重鎮のジョン・マケイン議員と保守派のランド・ポール議員がすでに反対の立場を明言していた。
さらにこの日、メーン州選出のスーザン・コリンズ議員が反対票を投じる考えを示した。これによって賛成票が50を下回ることは確実になり、上院通過の可能性は事実上断たれた。
上院では7月にも共和党のオバマケア代替法案が採決にかけられたが、党内からマケイン氏とコリンズ氏、アラスカ州選出のリサ・マーカウスキー議員が反対に回った結果、否決されていた。
共和党指導部は新たにまとめた代替案への賛成票を集めるため、24日になって修正案を発表。態度を留保していたコリンズ、マーカウスキー両氏に配慮して、メーン州やアラスカ州に対する連邦政府からの拠出金を増額する条項などを盛り込んだ。
しかしコリンズ氏は声明で、代替案では持病のある人が十分に守られない点、メディケイド(低所得者向け公的医療保険)が大幅に縮小される点は解決されていないと指摘した。
コリンズ氏が記者団に語ったところによると、週末にペンス副大統領、25日にはトランプ大統領が同氏に直接電話して説得を試みたという。