アラバマ上院補選の共和党予備選、バノン氏擁立の候補が勝利
アラバマ州モンゴメリー(CNN) 米南部アラバマ州の上院補欠選挙に向けた共和党予備選の決選投票が26日に実施され、バノン前大統領首席戦略官が擁立した保守強硬派のロイ・ムーア氏が、トランプ氏の支持を受けるルーサー・ストレンジ氏を抑えて勝利を確実にした。
州当局が発表した午後11時すぎ、開票率92%の時点の得票率は、ムーア氏の55%に対してストレンジ氏が45%だった。
保守的なキリスト教福音派のムーア氏は、勝利祝賀会で早速、「善の根源は全能の神」と述べるなど、宗教色の濃い演説で目を引いた。
ストレンジ氏は午後8時半すぎに敗北を認め、トランプ氏やペンス副大統領らの支援に感謝すると述べた。
補選はセッションズ司法長官の上院議員辞任を受けて12月に実施される。空席となった議席には暫定的にストレンジ氏が指名され、トランプ氏や党主流派の強力な支持を受けて予備選に臨んでいた。
これに対してムーア氏を強く推していたのは、大統領選でトランプ陣営の指揮を執り、政権発足後は首席戦略官を務めながら先月解任されたバノン氏。トランプ氏にバノン氏が挑んだ対決で、バノン氏が1勝を挙げた形だ。
ムーア氏は選挙戦で、キリスト教中心の政策を掲げてきた。州最高裁長官在任中に宗教問題で裁判所との対立を繰り返し、2回にわたって退任に追い込まれた経歴を持つ。
12月の補選本選では、連邦検事の経験を持つ民主党候補のダグ・ジョーンズ氏とムーア氏が争うことになる。アラバマ州は伝統的に共和党の地盤だが、ジョーンズ氏は自分こそ「住民が誇れる人格を備えた候補」だと自信を示している。