米厚生長官が辞任 公務にチャーター機多用で批判
(CNN) プライス米厚生長官が29日、辞任した。政府関係の出張でチャーター機を多用し批判を受けていた。この騒動はトランプ米大統領の怒りを買い、ワシントンに説明責任をもたらすとのトランプ氏の公約にも暗雲を漂わせる結果となっていた。
プライス氏は現在、プライベートジェット機をチャーターした出張に関し保健福祉省監察官の調査を受けている。同氏はワシントンからフィラデルフィアのような短距離の移動にもプライベートジェット機を使用。一連の出張の費用は数十万ドルに上っていた。
トランプ氏は今回の騒動を自身の政策課題から不必要に注意をそらすものとみて、スキャンダルに激怒していた。複数の情報筋によれば、今週には、プライス氏のフライトについて側近に怒りをあらわにし、「愚かだ」と語っていた。プライス氏がフライト費用の一部しか弁済を申し出なかったことも、トランプ氏の怒りに拍車をかけた。
トランプ氏は29日、ホワイトハウスを去る際にプライス氏について、「非常に良い男」だが重大なミスを犯したと言及。他の面ではコスト節約を進めてきた政権運営の実績を覆い隠すものだとして、今回の問題によるイメージ悪化を嘆き、「私はこの件を好ましく思っておらず失望した」と述べた。
プライス氏の辞任はトランプ氏が大統領専用機でニュージャージー州にある自身のゴルフクラブに向かう途上で発表された。
プライス氏やその側近はプライベートチャーター機での出張について、保健福祉省内の法律部門や倫理部門で承認されていたと主張。ただ、これよりはるかに安い手段で簡単に移動できる経路に裕福な閣僚が航空機を使っているとの印象を与えたことは、普通の米国人からかけ離れていると既に批判されている政権にとって、大きなイメージ悪化となっていた。