トランプ氏、医療保険制度関連の大統領令に署名へ
ニューヨーク(CNNMoney) オバマ前政権が導入した医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃に向けた新たな代替法案の採決が見送られたことを受け、トランプ米大統領は27日、医療保険制度に関する大統領令に近々署名する意向を明らかにした。
「州の境界を越え、多くのことができ、自分の医療保険を買えるような(制度を定めた)非常に大型の大統領令に署名することになるだろう。たぶん来週には署名する」とトランプ氏は記者団に述べた。「多くの地域、多くの人々をカバーすることになるだろう。数百万の人々だ」
トランプ大統領が新たに目を向けているのは、ランド・ポール上院議員(共和党)が提唱する医療保険制度改革案とみられる。ポール議員は共和党がまとめた代替法案には反対する一方、保険会社が州境を超えて医療保険を販売することや、国民が団体を作って保険に加入できるような制度改革を求めている。
保険会社に複数の州でのビジネスを認める一方で、規制面では本社を置く州に従わせるという案は、共和党内では強い支持を集めているが、保険会社や州の規制当局、消費者団体からは人気がない。すでに認められている数州でも、保険会社の動きは鈍い。
競争が促され、消費者の選択肢も増えて保険料も下がるというのが支持派の主張だ。これに対し反対派は、健康な人がよりカバー範囲の狭い保険プランを選ぶ一方で、病気のある人はより包括的なプランを選ばざるを得ず、保険料負担が大きくなると主張している。
トランプ大統領は、来年早々に再びオバマケアの撤廃に向けてアクションを起こす考えも示した。共和党議員から代替法案への十分な支持が得られるのは「ほぼ確実」としつつ、民主党議員とも制度の改善に向けて交渉する用意があると述べた。