米国務省、キューバ駐在職員や家族に帰国指示 謎の攻撃受け
(CNN) キューバに派遣された米外交官に対する正体不明の攻撃が続く事態を受け、米国務省が同国から必要最低限の人員を除く職員と職員の家族全員を帰国させる方針であることが30日までにわかった。
複数の米当局者はCNNに、音響攻撃とみられる攻撃の後、21人の米外交官とその家族らが体調を崩したと言及。職員の減少を理由にキューバ国内でのビザ発給を直ちに停止すると明らかにした。ただ、今回の決定は報復措置ではないとも語った。
在キューバ米大使館は職員を60%削減した状態で運営を継続する見通し。キューバ国内の米国人を支援する領事関係者は引き続き残る予定だという。
国務省高官が同日報道陣に明かしたところによれば、国務省はまた、キューバ渡航に関する警告を出し、米国民に対し渡航しないように求めているという。外交官への攻撃の一部は米国人が滞在するホテルで起きており、渡航者にも危険が及ぶ可能性があるためとしている。
ティラーソン国務長官は声明で、ハバナ駐在の外交官らを削減する決定について「我々の職員の安全を確保するためだ」と説明。「キューバとの外交関係は維持しており、キューバ国内での我々の仕事は引き続き、国家安全保障や外交政策に関する米国の利益に沿った形で行われている」と述べた。
一方キューバ外務省は同日、声明で、今回の決定を「性急」であり「2国間関係に影響を与える」ものだと述べた。
キューバ外務省の米国部門責任者は、「(米側が)主張する行為に関しキューバ政府にはいかなる責任もない」と主張。キューバに派遣されている外交関係者やその家族の保護については、ウィーン条約の下で定められた義務を真剣かつ厳格に順守しているとした。
また、今回の事案の完全解明を目指して両国の当局間で積極的な協力を継続したいとも強調。米側のさらに効果的な関与が必要だと述べた。