ロシア疑惑めぐるトランプ発言、情報当局前トップ2人が批判
ワシントン(CNN) ロシアによる米大統領選への介入疑惑をめぐり、トランプ米大統領がプーチン・ロシア大統領を「信じている」と述べたことについて、ブレナン前中央情報局(CIA)長官とクラッパー前国家情報長官は12日、米国を危険にさらす発言だと厳しく批判した。
両氏は12日、CNNのインタビュー番組に出演。クラッパー氏は「ロシアが脅威を及ぼしているのは明らか。それを否定しようとするのはいかなる表現にせよとんでもないことで、我が国を危険にさらす発言だ」と主張した。
ブレナン氏はトランプ氏の発言について、プーチン氏の言い分を公認したことになり、これに乗じてほかの国もトランプ氏を惑わそうとするだろうと述べた。
クラッパー氏も同様に、ロシアや中国に対してトランプ氏につけ入るチャンスを与えていることになると警告した。
ブレナン氏はまた、ロシアに対するトランプ氏の態度は「世間知らずか無知、あるいは恐れ」からきているとの見方を示した。さらに、トランプ氏から批判を受けることは「名誉の印」だとも語り、介入疑惑を調べているマラー特別捜査官に称賛の言葉を贈った。
トランプ氏は11日、プーチン氏が米大統領選への介入を否定した発言を信じていると記者団に語った。ただ12日には訪問先のベトナム・ハノイでの会見で、プーチン氏の否認を言葉通りに受け取ったわけではないと説明。「プーチン氏はロシアが介入してはいないと感じているのだろう」と語る一方、それが事実かどうかについては米当局の見解を支持すると述べた。
米情報当局は、ロシア側が米大統領選でトランプ陣営を有利にするような介入を行ったと断定している。