トランプ氏、クルド人民兵への武器供与停止を「明言」 トルコ外相
(CNN) トルコのチャブシオール外相は24日、トランプ米大統領が電話会談でエルドアン大統領に対し、シリアのクルド人民兵組織「人民防衛隊(YPG)」への武器供与を停止する方針を伝えたと明らかにした。トルコはYPGをテロ組織とみなしている。
トランプ氏は6カ月前、トルコ側の強い反対を押し切る形でYPGへの武器供与計画を承認していた。今回の決定は、米国からYPGへと渡る武器の流れが断ち切られることを意味する。YPGは米国の支援を受ける「シリア民主軍(SDF)」とともに戦闘に従事している。
チャブシオール氏は今回の記者会見の中で、「YPGへの武器供与に関する我々の不快感を改めてトランプ氏に伝えた」と言及。「トランプ氏はYPGへの武器供与を行わないよう指示したと明言した」と述べた。
一方、米ホワイトハウスは、両首脳の間で同日朝に行われた電話会談に関するチャブシオール氏の発言に異議は唱えなかったものの、YPGへの武器供与を停止する差し迫った計画はないと示唆。過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が「首都」と称していたシリア北部ラッカをめぐる戦闘が完了し、事態が安定局面に入りつつあることから、トランプ氏はエルドアン氏に「シリア国内の我々のパートナーに対する軍事支援提供の調整」を検討中だと伝えたとしている。
国家安全保障会議(NSC)のアントン報道官はCNNに対し、YPGへの武器供与は徐々に縮小していくと語った。
トランプ氏は5月、ラッカ奪還を目指す米支援部隊の取り組みを強化するため、YPGに武器を供与する計画を承認。YPGはトルコ国内でテロ攻撃を行ってきたクルド人非合法組織「クルディスタン労働党(PKK)」と密接に連携しており、トルコ側ではYPGに供与された武器がPKKの手に渡る事態を懸念する声が上がっていた。