米艦衝突事故2件、訓練証明書の長期失効が判明 監査院報告
ワシントン(CNN) 米海軍の駆逐艦「ジョン・S・マケイン」と「フィッツジェラルド」が今年それぞれ死亡事故を起こした件で、両艦の乗組員の訓練に関する証明書が長期間にわたり有効期限切れ状態となっていたことが13日までに分かった。CNNが入手した米政府監査院(GAO)の新報告書で明らかになった。証明書の中には、2年間以上にわたり失効したままになっていたものもあった。
新データは、GAOが民主党のジョー・コートニー下院議員の質問を受けて提出したもの。
これによると、ジョン・S・マケインに発行された証明書22点のうち7点は今年6月26日の時点で有効期限が切れていた。このうち2点は2年間以上にわたり失効したままとなっていた。
同艦の乗組員は巡航ミサイルに関する証明書の更新を28カ月、水上射撃支援の訓練に関する証明書の更新を26カ月にわたり怠っていたという。
一方、フィッツジェラルドに発行された証明書の場合、22点のうち15点が同時点で期限切れとなっており、訓練証明書の大半は1年近くにわたり失効した状態となっていた。
フィッツジェラルドとジョン・S・マケインはそれぞれ今年6月と8月に商船と衝突し、計17人の海軍要員が死亡している。今回のGAOの評価報告は、こうした事故につながった可能性のある要因の一つに改めて光を当てるものだ。
コートニー議員はインタビューで、一部の証明書が長期間にわたり失効していたことを知って特に懸念を覚えていると発言。これは「慢性的な問題」だとし、第7艦隊の水準が世界の他地域を管轄する海軍部隊と同程度に維持されていないのはなぜかとの疑問に改めて言及した。