特別検察官、トランプ氏の聴取希望か 弁護団は対応検討
ワシントン(CNN) ロシアによる米大統領選介入疑惑を捜査しているマラー特別検察官がトランプ大統領の事情聴取を求める事態が予想され、同氏の弁護団が対応を検討していることが9日までに分かった。この問題の経緯に詳しい情報筋が明らかにした。
トランプ氏の弁護団は数カ月前から聴取要請の可能性に備えてきた。しかしマラー氏側と弁護団の間で、聴取をめぐる本格的な協議や交渉は始まっていないという。情報筋によれば、前回の会合で聴取が話題に上り、今後話し合いが進む見通しだ。
トランプ氏は捜査の早期終結を強く求めてきた。しかし事情を知る別の情報筋によると、マラー氏側にトランプ氏への聴取なしで捜査を切り上げる考えはないとされる。
弁護団は過去の大統領が聴取を求められた例を参考に、トランプ氏がどこまで要請に応じるべきかを話し合っている。宣誓証言の形式をとる必要があるか、あるいは質問に文書で回答するだけでいいのかといった検討が進められている。検察官チームがその場で探りを入れる形の尋問は避けたい構えだという。
過去の例では、レーガン元大統領が1987年、イラン・コントラ事件をめぐる捜査に対し、文書で質問に答えた。
クリントン元大統領の不倫スキャンダルを調べていたスター独立検察官は1998年にクリントン氏を大陪審に召喚したが、数日後に撤回。クリントン氏はホワイトハウスから有線テレビを通して証言し、その内容が後日公開された。
スター氏は8日、CNNとのインタビューで、マラー氏が捜査を完了して判断を下すためにはトランプ氏と対面し、直接質問を投げ掛ける必要があるとの見方を示した。