フリン前米大統領補佐官を虚偽供述で訴追 有罪認める
ワシントン(CNN) ロシアの米大統領選干渉疑惑をめぐる捜査を指揮するマラー特別検察官は1日、駐米ロシア大使とのやり取りに関し連邦捜査局(FBI)に虚偽の供述をしたとして、フリン前米大統領補佐官(国家安全保障担当)を訴追したと発表した。フリン氏は同日朝に出廷し、この件での有罪を認めた。同氏は声明で、特別検察官の捜査チームに協力していることも明らかにした。
マラー氏率いる捜査がトランプ米政権内部の人物にまで及んだのはフリン氏が初めて。今回の一連の展開は、捜査が強化されていることを示す兆候と言える。1日に明らかになった事態の詳細は、政権発足前にフリン氏やトランプ大統領の他の側近がロシア当局者との接触で連携し、国際政策に影響を与えようとしていたことをこれまでで最も明確に示すものだ。
FBIの声明によれば、フリン氏はイスラエルに関する国連安保理決議をめぐる外国政府の立ち位置を見極めるよう、政権移行チームの幹部から要請を受け、当時のキスリャク駐米ロシア大使とやり取りを行った。検察は政権移行チーム関係者の名前には一切言及しなかった。
この問題に詳しい複数の情報筋がCNNに明かしたところによれば、訴追関連書類で言及されている政権移行チーム幹部とは、トランプ氏の娘婿のクシュナー上級顧問のことだという。
クシュナー氏の弁護士はコメントを出していない。ホワイトハウスは同日、声明で「今回の有罪答弁や訴追でフリン氏以外の人物に関連する部分はない」と主張した。
法廷でのフリン氏の発言は、判事の質問に対する「はい」と「いいえ」の答えのみ。判事に対し、有罪を認めるよう強要されたり、具体的な量刑を約束されたりはしていないと述べた。連邦量刑ガイドラインによれば、フリン氏の量刑は禁錮5年以下となるが、判事はこれより重い又は軽い量刑を科すこともできると強調した。
フリン氏は声明で、自身の行動の誤りを認めたうえで、「私の有罪答弁と、特別検察官チームに協力することへの同意は、家族や国の最善の利益のために私が下した決断を反映したものだ。私の行動に関する全ての責任を受け入れる」と述べた。
フリン氏と駐米ロシア大使やトランプ氏の側近との間での電話のやり取りは昨年12月後半、側近らがトランプ氏の別荘「マール・ア・ラーゴ」に滞在している際に起きた。同月29日前後に多くのやり取りがあり、オバマ前政権による対ロシア制裁を受けてロシア側が事態を激化させないよう、マール・ア・ラーゴにいる政権移行チームが望んでいる旨が話し合われたという。
今回の有罪答弁や訴追関連書類によれば、フリン氏は同大使とのこうした電話についてFBIに虚偽の供述を行ったとされる。フリン氏はFBIに対して、電話で事態の激化を避ける要請を行ったことはないと語り、またロシア大使からロシアは対応を軟化させるとの話があったことも記憶にないと話していた。