銃乱射を生き延びた高校生、沈黙の演説で全米に衝撃
(CNN) 米首都ワシントンで開かれた「私たちの命のための行進」で演説に立った高校生、エマ・ゴンザレスさん(18)。フロリダ州の高校で起きた銃乱射事件で死亡した同級生ら17人の名を読み上げると、そのまま壇上で沈黙した。
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犯人が銃撃を続ける間、教室に隠れて身を潜めていた時の感情を、ゴンザレスさんは沈黙で表現した。ある専門家はこの演説を、「米社会運動史上、最も声高な沈黙」と評した。
「私は18歳のキューバ系で、バイセクシュアルです」。ゴンザレスさんは米ファッション誌ハーパーズバザーに寄せたエッセーで、自己紹介をそう切り出している。
2月14日、フロリダ州マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校で銃乱射が起きた時には、講堂に隠れて事件に関する情報をグーグルで検索し、警察が駆けつけるまで、周りにいた生徒たちを励ました。
父は1968年にキューバから米ニューヨークに亡命した弁護士。母は数学教師。ゴンザレスさんは3年間にわたって在校生でつくる「ゲイ・ストレート同盟」の代表を務め、「もし私が自分自身についてこれほどオープンでなかったら、きっとこんなことはできなかった」と語っている。
髪を短くそり上げたヘアスタイルについては、パワーポイントでプレゼン資料を作って両親を説得したというエピソードも明かしていた。
事件の4日後には、箱の上に立って演説を行い、銃規制強化を訴える高校生の運動の象徴的存在になった。
CNN主催のタウンホール集会では、全米ライフル協会(NRA)広報のダナ・ローシュ氏と対峙(たいじ)して質問を突き付ける場面もあった。ローシュ氏はこの質問に対して直接的には答えなかった。
銃規制強化を訴えて事件の4日後に開設したツイッターのアカウント「@Emma4Change」のフォロワーは100万人を突破、2009年に開設されたNRAアカウントのフォロワー63万6000人を超えている。