米国連大使が反発、「混乱していない」 対ロ制裁巡る発言で
(CNN) 米国のヘイリー国連大使がロシアへの追加制裁を予告した発言をめぐり、トランプ政権幹部が「先走り」だったなどと批判したことに対して、ヘイリー氏は強い反発を示している。
ヘイリー氏は15日に出演したテレビのインタビュー番組で、シリアでの化学兵器使用に関連してロシアに追加制裁が科されると予告。ムニューシン財務長官が16日にも化学兵器関連の装置を扱ったロシア企業への制裁を発表するだろうと明言した。
ところが実際には新たな制裁は発表されず、16日には「トランプ氏が待ったをかけた」との報道が流れた。
国家経済会議(NEC)のカドロー委員長は17日、記者団との会見で、ヘイリー氏が先走ったとの見方を示した。同氏の仕事ぶりをたたえたうえで「一時的な混乱があったのかもしれない」と述べた。
ヘイリー氏は同日、これに強く反発。CNNが入手した声明の中で「失礼ながら、私は混乱などしない」と言い切った。
ホワイトハウスの当局者によれば、カドロー氏はヘイリー氏に謝罪したという。
ヘイリー氏の制裁予告をめぐっては、サンダース大統領報道官も16日、「ロシアへの追加制裁は検討中だがまだ決定したわけではない」とコメントした。17日にCNNの取材に応じた政権高官2人は、ヘイリー氏が13日にホワイトハウスでの会合に出席した際、制裁は確定だと誤解してしまったのだろうと語った。
だがこの会合では、制裁が近く発表されると確信した当局者がほかにもいたとされる。ヘイリー氏はこれまで、テレビ番組で発言する前には内容を直接トランプ氏に確認することが多かった。対ロ制裁についても国家安全保障チームのメンバーに確認を取らなかったとは考えにくいと、ある政権高官は指摘する。
たとえヘイリー氏の先走りが事実だったとしても、ホワイトハウスが同氏の発言をただちに修正せず、24時間後まで放置したのはなぜか、その理由は明らかでない。