トランプ氏、NATO加盟国に国防費倍増を促す 首脳会議
ブリュッセル(CNN) トランプ米大統領は11日、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議で、各国首脳に対し国防費を国内総生産(GDP)比4%に引き上げるよう促した。NATO加盟国の多くは現状の2%の目標もまだ達成していないが、これを倍増する形となる。
ホワイトハウスのサンダース報道官は声明で、トランプ氏がGDP比2%の目標を達成していない加盟国の現状を指摘するとともに、4%への増額も提言したことを確認した。
そのうえで、昨年のNATO首脳会談でもトランプ氏は「同じ問題を取り上げた」と指摘。「トランプ大統領は同盟国に負担をもっと分担し、最低でも既に宣言している義務を果たしてほしいと考えている」と述べた。
ただ、NATOによる最新のまとめによると、米国はトランプ氏が他国に求めるほどの額を払っていない。
トランプ氏はこの日、NATOのストルテンベルグ事務総長との朝食の席で、「実際の数値では」米国はGDP比4.2%を国防に費やしていると主張。一方でドイツは1%をわずかに上回る程度しか払っていないと述べた。
しかしNATOによれば、今年の米国の国防費はGDP比で推定3.5%になる見通し。これは昨年の3.57%を下回る数値となる。一方ドイツは今年の推定値は1.21%で、昨年を若干上回る見込みだ。
欧州の外交官の1人はトランプ氏の提言について、「良くない」と評価。「首脳会談ではロシアのプーチン大統領に対して強いメッセージを送るべきなのだが、今は同盟国間の大きな相違があらわになっている」と述べた。