歴代神父300人、子ども千人に性的虐待の疑い 米ペンシルベニア州
(CNN) 米ペンシルベニア州のカトリック教会に属する歴代の神父300人以上について、子どもへの性的虐待を行っていた疑いが強いことが分かった。大陪審の報告で明らかになった被害者の数は、確実視されているものだけで1000人を超えるとみられている。
今回の大陪審の報告は州内の6教区の内部文書に基づいてまとめられ、14日午後に公表された。聖職者による性的虐待について、1947年までさかのぼって調査している。記録が失われたり被害者が名乗り出なかったケースもあり、「実際の被害者は数千人単位に上るとみられる」という。
報告によると、これらの聖職者らは「幼い少年少女を強姦していた。教区の責任者たちは何の対応もとらなかったばかりか、数十年間にわたって全てを隠蔽(いんぺい)した」。ほとんどの場合、加害者は罰せられることなく、多くが高位聖職者への昇進を果たしたという。
ペンシルベニア州のジョッシュ・シャピロ検事総長は報告の公表に合わせて記者会見を開き、「米国のカトリック教会内における子どもへの性的虐待の報告としては、過去最も大規模かつ包括的なものだ」と説明した。
報告に基づき、神父2人が未成年者への虐待の疑いで起訴された。ただほとんどの虐待は、年月が経ちすぎていることから訴追の対象となっていない。
カトリック教会では、米国のほか豪州や南米でも、虐待の事実やその隠蔽が発覚するスキャンダルが相次いでいる。