最高裁判事候補に性暴力疑惑、被害女性が名乗り 米紙報道
ワシントン(CNN) トランプ米大統領が連邦最高裁判所の判事候補に指名している連邦控訴裁判事、ブレット・カバノー氏が30年以上前、女性に性的な暴力を振るったとの疑惑が浮上している。被害を受けた女性が名乗り出て、16日付けの米紙ワシントン・ポストがその主張を詳しく伝えた。
同紙によると、カリフォルニア州の大学教授、クリスティーン・ブレイジー・フォード氏は、高校時代のカバノー氏に襲われたと主張している。ホームパーティーの場で寝室に閉じ込められ、服を脱がされそうになったという。
フォード氏によれば、寝室にはカバノー氏の友人もいて、2人とも酒に酔っていた。同氏に口をふさがれ、命の危険も感じたが、何とか逃げ出したという。
フォード氏は、最高裁判事候補にカバノー氏の名前が挙がった今年7月、いったん同紙に接触したものの、その時点では公にしない意向を示していた。同時期にカリフォルニア州選出のファインスタイン上院議員(民主党)にも送っていた書簡が先週明るみに出たため、改めて名乗り出ることを決意したという。
フォード氏は同紙に「自分の苦しさや報復の恐怖を乗り越えることが、市民としての責任だと感じた」と話した。
しかしカバノー氏は先週、疑惑を「断固として明白に否定する。高校時代を含め、そのようなことはしていない」との声明を出した。
上院司法委員会では、カバノー氏の指名承認をめぐる採決が20日に予定されている。ファインスタイン氏は16日午後、承認手続きの前に連邦捜査局(FBI)がこの件を調べるべきだと主張した。議会民主党からは、徹底調査が完了するまで採決を延期するべきだという声が上がっている。