トランプ氏、下院議長の軍用機使用を拒否 演説延期要請の仕返しか
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は17日、同日午後からアフガニスタン訪問を開始する予定だった民主党のペロシ下院議長に対し、軍用機の使用を許可しないと通告した。
ペロシ氏は前日、トランプ氏に宛てた書簡で一般教書演説の延期を提案しており、それへの仕返しとみられる。
政府機関の一部閉鎖が1カ月近くに長引く中、行き詰まり状態の交渉で民主党の優位に立ちたい思惑がありそうだ。
トランプ氏はペロシ氏に宛てた書簡で「残念だが、政府閉鎖のためブリュッセルとエジプト、アフガニスタンへのあなたの訪問は延期だ」とし、「政府閉鎖が終わったら、7日間の外遊の日程を組み直す」と述べた。
ペロシ氏の広報担当によると、ブリュッセルを経由するのは主に操縦士の休憩時間を確保するためで、エジプトは旅程に含まれていない。
アフガニスタンは実際に旅程に入っていたが、トランプ氏は「商用機で旅をしたければ、もちろんあなたにはその権限がある」と記している。
これに対し、ペロシ氏の広報担当は、トランプ氏自身が政府閉鎖中にイラクを訪問した件に言及。ペロシ氏による訪問の目的については「兵士らの奉仕と献身に謝意を示し、前線の要員から安全保障や諜報(ちょうほう)に関する報告を受けることだった」と説明した。
民主党議員はトランプ氏の動きに反発。下院情報委員会のシフ委員長は「大統領はこの2年間、5年生のように振る舞う場面があまりに多い」と指摘した。
一部の共和党議員からも事態を嘆く声がもれている。コーニン上院議員は政府閉鎖をめぐるトランプ氏とペロシ氏の対立について、「あまりに子どもじみている」と苦言を呈した。