米外交官救出したCIA元要員が死去、映画「アルゴ」のモデル
(CNN) イランの首都テヘランで1979年11月に発生した米国大使館の占拠事件で米国人外交官ら6人の脱出作戦を仕切った米中央情報局(CIA)元要員のトニー・メンデス氏が19日朝、死去した。78歳だった。
死去は同氏の著作権問題の代理人が明らかにした。この脱出作戦は米国の俳優兼監督のベン・アフレックさんが映画化した「アルゴ」の題材となり、2012年のアカデミー賞で作品賞などの3部門で受賞した。
アフレックさんは死去の報を受け、ツイッター上で「真の米国のヒーロー。自らの功績が脚光を浴びることを決して求めず、ただ母国に奉仕することだけに努めた」としのんだ。
詳しい死因は不明だが、パーキンソン病を患っていたという。
代理人によると、メンデス氏は複数の書物を著し、伝えたかった話は全て書き切ったとの思いを抱いて最期の時を迎えたという。
妻ジョンナさんとの合作となった遺作も出版元に送ったばかりだった。遺作は米国の冷戦での勝利に貢献したCIAの秘密作戦に関する内容で、今年5月21日に刊行の予定。
人質の脱出作戦で6人はカナダの外交官に保護され、同国の旅券も発給されていた。メンデス氏らのCIA要員は「アルゴ」という架空のSF映画を撮影するとの名目でテヘラン入りし、空港から6人を国外脱出させていた。
メンデス氏は2012年のCNNの取材に1979年にはCIAの身元偽装部門の責任者だったと告白。偽の身分を装わせて外国から特定の人物を連れ出す任務に就いていた。
有名人らの経歴情報に関するサイトによると、メンデス氏はCIAに25年間勤務。2番目の妻であるジョンナさんも元CIA要員だった。