歯みがき粉にアレルギー反応か、11歳少女死亡 米
(CNN) 重度の食物アレルギー症状をもつ11歳の少女が、歯みがき粉に対するアレルギー反応が原因で死亡したという症例が、患者向けの情報誌「アラージック・リビング」に掲載された。ただし専門家は、こうした事例は極めてまれだと指摘している。
同誌が母親の話として伝えたところでは、カリフォルニア州のデニース・サルデートさん(11)は、歯科医に処方された歯みがき粉に乳製品由来のタンパク質が入っているとは知らずに使用した。
両親は常に食品表示を入念にチェックして乳製品などのアレルゲンが入っていなかどうか確認していたが、歯みがき粉まではチェックしていなかった。
この歯みがき粉を使ったサルデートさんは重度のアレルギー反応を引き起こし、エピネフリン投与や吸入器も効果がなかったという。
CNNは家族に直接取材を試みたが、これまでのところ返答はない。
サルデートさんの話はソーシャルメディアで広まり、葬儀代を募るためにおじが開設したクラウドファンディングのページでは、目標の1万ドル(約110万円)を超す寄付が集まっている。
ネーションワイド小児病院の准教授で小児アレルギーに詳しいデービッド・ストゥクス医師は、サルデートさんの母親が語ったような事例は極めてまれだと述べ、「これと似たような話さえ聞いたことがない」と話す。
母親によれば、サルデートさんが使った歯みがき粉は一般的に使われる製品ではなく、歯科医に処方されたものだったという。
ストゥクス医師は今回のような死亡症例について、食物アレルギーは深刻となることがあり、保護者など関係者間での明確な意思疎通、表示ラベルの入念なチェック、必要な時に即座にエピネフリンを投与可能な準備が求められることに注意を促すものだと指摘する。
ただ、アレルギー反応による死亡例の多くは、子どもがぜんそくなどの基礎疾患ももち、エピネフリン投与が遅れたり実行されなかった場合に起きているという。
「今回のケースについては詳しい情報がないので真に理解することはできない。それでも、食物アレルギーを持つ患者全てにそのまま当てはめるべきではない」とストゥクス医師は話している。