化学物質流出で魚が大量死、国立公園の一部封鎖 米ミシガン湖周辺
(CNN) 米インディアナ州のミシガン湖近郊で、製鋼所から化学物質を含む排水が流出して魚が大量死し、米国立公園局がインディアナ・デューンズ国立公園の一部ビーチなどを封鎖した。現場に近いポーティジ市が明らかにした。
化学物質の流出は先週、ミシガン湖の約4.8キロ上流を流れるリトルカルメット川の支流で発生し、国立公園局がポーティジ市の湖岸に面した地域などを立入禁止とした。
流出は鉄鋼・鉱山開発会社アルセロール・ミッタル(本社ルクセンブルク)のバーンズハーバー製鋼所で発生した。同社の16日の発表によると、高炉の水再循環システムで障害が起き、高濃度のアンモニアとシアン化物を含む排水が川に流れ込んだ。
同社は州や連邦当局と連携して対応に当たり、再発防止に努めるとしている。
CNN系列局WBBMの記者は、ポーティジのマリーナで死んだ魚が水面に浮いている写真をツイッターに投稿した。
Boaters at the Marquette Yacht Club in Portage, IN are trying to enjoy a Friday on the water. Instead they’re finding—and smelling—dead fish from a chemical spill. pic.twitter.com/aMNAFEtRQS
— Tim McNicholas (@TimMcNicholas) 2019年8月16日
地元住民はWBBMの取材に対して「あまりにひどい。どこもかしこも死んだ魚だらけ」と不満をぶつけ、現地の港湾責任者も「あっという間に腐って信じられないくらいひどい悪臭だ」「あまりにひどすぎて耐えられない」と話している。
アルセロール・ミッタルによれば、バーンズハーバー製鋼所では少量の化学物質を含んだ排水の放出が認められているが、システムの不具合のために許容量を超す化学物質が放出された。システムは修理を終え、通常の業務を再開している。
ポーティジ市のジョン・キャノン市長は、インディアナ州環境管理局が事態を把握していたにもかかわらず、3日後の15日まで同市に連絡しなかったとして州を非難している。
当局は市民に対し、この地域で捕れた魚は食べないよう呼びかけた。