マティス前国防長官、著書でトランプ氏を非難 米紙
ワシントン(CNN) トランプ大統領との政策上の意見対立から昨年12月に辞任したマティス前国防長官は28日、トランプ氏が進める「米国第一」主義による孤立主義を非難し、同盟国を尊重しないことから世界の中で高まるリスクに直面していると警告した。
米紙ウォールストリート・ジャーナルが前長官が近く出版するエッセーの一部として報じた。マティス氏はこの中で名前には直接言及していないが、批判の対象がトランプ氏であることは明白となっている。
海兵隊の退役大将である同氏は、辞任時の心境について「自らの助言がもはや(トランプ氏の)耳に届かない」と判断したと述懐。国防長官職には「出来るだけ長くとどまろうと全力を尽くした」とも振り返った。
前国防長官はまた、「論客の役目だけの指導者は十分ではない」とし、「指導者は戦略的な洞察力を示し、問題が起きた時には我々と共に立ち上がる諸国への敬意を結合しなければならない」と主張した。
マティス氏は、トランプ氏がシリアからの米軍部隊の撤収計画を発表後、辞任した。退任に伴う書簡では、「トランプ氏は自らの意見により融和出来る国防長官を抱える権利がある」と突き放していた。
同紙によると、マティス氏は米国内の現在の政治、社会状況にも言及。「全ての米国民は我々の民主主義は後退もし得る実験であることを認識すべき」と主張。「我々全員は現在の政治状況に甘んじるような人間ではないことを象徴している」とし、「この実験を破壊する仲間意識を重んじる主義を許してはいけない」と説いた。
エッセーの題名は「Call Sign Chaos:Learning to Lead」となっている。