ピットブルの子犬が毒ヘビと格闘、子ども2人を守って死ぬ 米フロリダ州
しかし既に手遅れだった。ゼウスは翌日、息を引き取った。この日はオーライリー君の誕生日だった。
一家はゼウスの母犬の「セガ」を連れ、病院でゼウスにお別れをした。「セガはゼウスの頭の方へ行き、台に前足を乗せてにおいをかいだ」「セガは耳を倒し、足を降ろすとソファに飛び乗ってきて、私のひざに顔をうずめた。私たち一家だけでなく、ゼウスの母親も悲しみに暮れていた」(リチャードソンさん)
ゼウスへの感謝の気持ちは生涯忘れないとリチャードソンさんは言う。「もしゼウスがいてくれなかったら、子どもたちの1人をなくしていたかもしれない」と振り返った。
ピットブルテリアといえば獰猛(どうもう)な犬種と思われがちだが、父親のギャリーさんは、ゼウスの行動がそうしたイメージを変えさせる助けになってくれることを願うと話す。「今回の出来事のおかげで、この犬種の優しくて愛すべき性格が脚光を浴びた。今はそのことを喜びたい気持ちと、ゼウスを失った悲しみの狭間(はざま)にいる」