トランプ大統領、香港人権法に署名 中国「あからさまな覇権行為」
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は27日、香港で続くデモを後押しする「香港人権・民主主義法」に署名した。これに対し、中国政府は「あからさまな覇権行為」と反発している。
米国は長年、香港との間に通商上の特別な関係を維持してきた。香港では一定の自治が認められているが、こうした自治が中国政府によって侵害されているとの見方も根強く、6月から続くデモの一因となってきた。
新法は米政府に対し、香港の特別な自由が保たれているか毎年検証するよう求める内容。自由が維持されていないと判断した場合、米政府が香港への優遇装置を取り消す可能性もあり、香港経済にとっては大きな打撃となる。
また、香港市民の恣意(しい)的な拘束、拷問、自白強要などに関与した者に制裁や渡航制限を科すための手続きも盛り込まれた。
ただしトランプ氏は、同法が外交政策を行う大統領権限の妨げになるとして、実施する条項を一部にとどめる考えを示唆。ホワイトハウスは声明で「外交に関する大統領の憲法上の権限と整合的な形で各条項を取り扱う」と述べた。
トランプ氏は個人の声明で「中国の習主席と香港の人々への敬意から」法案に署名したとも明かし、「中国と香港の指導者や代表者が意見の相違を友好的に解決し、全ての人にとって長期の平和と繁栄につながることを望む」としている。
法案可決を受け、中国外務省は「香港行政と中国の内政への重大な干渉」と反発。「国際法と国際関係の基本規則への重大な侵害に当たる」「こうしたあからさまな覇権行為に対し、中国政府と人民は断固反対する」と述べた。