トランプ氏、新型コロナで非常事態宣言 検査の遅れに「責任ない」
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は13日、新型コロナウイルス対策費として500億ドル(約5兆4000億円)の連邦資金を活用可能にするため、国家非常事態を宣言した。一方で、政権の初期対応の遅れに関して自らに責任はないとも主張した。
米国ではこの1週間、株式市場の乱高下や日常生活の混乱が続いていた。トランプ氏は公衆衛生上の危機を制御する狙いで矢継ぎ早に対策を打ち出しており、今回の発表もその一環となる。
トランプ氏は会見で自らの手腕をアピールしようとする一方、対応に不備があったことは否定した。一部の医療専門家からは、こうした不備が危機を悪化させたとの見方も出ている。
これについてトランプ氏は「私には全く責任がない」と述べ、検査キット配布の遅れは過去の政権のせいだと強調。「我々に与えられたのは、別の時代の規則や規制、対策要綱だった」と主張した。
ホワイトハウス中庭に行った会見には、トランプ氏の呼びかけで米小売業界の幹部が集まった。トランプ氏は、全米にドライブスルー検査を受けられるスポットを整備するために彼らがリソースを提供してくれると発表。14日夕から利用可能になる新たなポータルサイトに情報が掲載される。
トランプ氏はさらに、医師や病院が柔軟に対応できるよう、厚生長官に一部規制を適用しない運用を認める。学生ローンの利息の免除や、需要減で価格が急落した原油の追加購入も行う。戦略備蓄を「満タン」にするまで原油を購入する方針。
トランプ氏が11日に行ったテレビ演説では、ウイルスを外国からの脅威と位置付けた内容に批判が集まり、株価が急落する結果も招いた。危機対応能力を示す必要に迫られる中、今回の発表は連邦資金の大量投入が必要な本格的な国内の危機に当たるとの認識を示す形となった。