米プリンセス・クルーズ、全船で運航停止 新型コロナ感染受け
ニューヨーク(CNN Business) 米国のクルーズ船会社、プリンセス・クルーズが、全世界で展開する18隻のクルーズ船の運航を2カ月間停止することが13日までにわかった。同社の運航船2隻で相次いだ新型コロナウイルスの大規模感染を受けた措置。
またスイスに拠点を置くクルーズ船会社バイキングも、海洋と河川でのクルーズ船の運航を5月1日まですべて停止すると発表した。同社は外洋航行船16隻とその他の船舶70隻以上を保有している。
さらに英ヴァージン・グループ系列の新興クルーズ会社、ヴァージン・ヴォヤージュは、予定していた自社船舶の就航を8月7日に延期することを明らかにした。同社は声明で「世界的な健康上の危機が存在する中、当然ながら多くの人々が今後の旅行計画を再検討している」と述べた。
旅行業界の中でも、今回の新型コロナウイルスの感染拡大でクルーズ船業界ほど打撃を受けた分野はない。クルーズ船の需要は劇的に落ち込み、各国の保健当局は高齢者に対し、ウイルス感染の恐れがあるとしてクルーズ船に乗らないよう呼びかけている。
今週カリフォルニア州オークランドに入港したクルーズ船「グランド・プリンセス」では、乗客19人、乗員2人の感染が確認された。保健当局によると先月横浜に入港した「ダイヤモンド・プリンセス」では、少なくとも2人の乗客がウイルスの感染によって死亡。船内の700人以上に陽性反応が出ていた。
プリンセス・クルーズは、向こう5日以内に自社クルーズ船の運航を停止するとしている。期限内に終了するクルーズ船は、旅程の変更なしで運航する。期限以降も運航するクルーズ船については、乗客にとって最も下船に適すると判断した場所で旅程を終了する見通し。