米聖職者、州の集会禁止令を無視 1000人規模の礼拝挙行で批判殺到
(CNN) 米国で新型コロナウイルスの感染が拡大する中、ルイジアナ州の教会を運営する聖職者が大規模な集団礼拝を挙行しているとして物議をかもしている。同州知事は50人以上の集会の開催禁止を命令しているが、教会側は複数回にわたりこれを無視。22日には約1000人の信者を集めて礼拝を行ったという。
礼拝を開催しているのは同州バトンルージュにある教会の聖職者のトニー・スペル氏。22日の礼拝ではバス運行も実施して5つの教区から信者を集めたとしている。24日の夜にも礼拝を開く予定だという。
スペル氏は24日、CNNの取材に答え「街中すべての建物が扉を閉ざすというのなら、私もそうしよう」「しかし、小売店は必要だから開けてもよいが教会はだめだというのは納得がいかない。それは信仰の迫害というものだ」と語った。
スペル氏はまた、今回のパンデミック(世界的な流行)について「政治的動機に基づいたもの」との見解を示してもいる。
地元警察の幹部はCNNに対し、スペル氏の教会の問題について「調査中」だと説明。スペル氏は先週、警察から州兵を派遣して集会を解散させると告げられたと主張したが、同幹部はそうした事実はないと反論した。
スペル氏に対してはオンライン上で逮捕を求める署名活動が行われているほか、キリスト教信者からの批判の声も多く寄せられている。
それでも同氏は、連邦政府などが示す互いの距離を確保するといった感染抑止のための指針には従っていると主張。先週にはホワイトハウスから当局者が教会を訪れ、礼拝を外で行うこと、参加する信者同士の間隔を約1.8メートル開けること、各自家族以外との接触はさせないことなどを求めたという。スペル氏はこの当局者が誰なのかを明言していない。
スペル氏がフェイスブックに投稿した22日の礼拝の動画には、信者たちが歌い、祈り、近距離で触れ合ったりする様子が映っている。信者の大半は屋外に設置されたとみられる天幕の下にいる。これらの1000人ほどの信者は、教会の7つの建物に分かれて参加したと同氏は説明している。