「公園に遺体を一時埋葬」のうわさ、NY市長が否定
(CNN) 新型コロナウイルスの感染拡大が続く米ニューヨーク市で遺体安置所が不足し、一時的に市内の公園に埋葬する可能性が出てきたとのうわさについて、デブラシオ市長は「全くのうそだ」と述べ、全面的に否定した。
デブラシオ氏は6日、ニューヨーク市内で「集団墓地」や「集団収容」のようなことが起きる可能性は全くないと力説。万が一、遺体を一時的に埋葬する事態に至ったとしても、一人ひとりの遺体を後日家族の元へ戻せるよう個別に対応するとしたうえで、「現状はそのような事態から程遠い」と強調した。
公園での埋葬をめぐるうわさは、市議会のマーク・レビン保健委員長が6日夜、一連のツイートで言及したことをきっかけに拡散した。
だがデブラシオ氏と検視当局は、遺体の収容スペースが不足してはいないと主張する。今後、仮の埋葬場所が必要になった場合に備えた検討では、ブロンクス区の沖合にあるハート島が候補に挙がっていると述べた。同島には身元不明遺体の墓地がある。
ニューヨーク州のクオモ知事も6日午前の記者会見で、レビン氏がツイートしたような計画は全く聞いていないと述べた。
検視当局によると、同市では死者の増加にともない、すでに追加の冷蔵トラックを購入。連邦当局からも80台が提供されている。結果として、現在ほとんどの病院に遺体用のトラック1~2台が配置されているという。
レビン氏はその後のツイートで、不測の事態に備えた市当局の態勢を述べたにすぎないと説明。レビン氏の広報担当は、レビン氏の発言について、大量の死傷者が出た際のニューヨーク市の計画の一部だと述べた。ただ生物テロなどで多数の死者が出ることを想定した当局の計画書に、公園を臨時の埋葬場所として使う案への言及は見当たらない。