新型コロナ関連のアジア人差別に対応、NY市で特別チーム発足
(CNN) 新型コロナウイルス感染拡大に関連したアジア人差別に対応しようと、米ニューヨーク市の人権委員会が新たに特別チームを設置した。
市人権委員会が19日に発表したところによると、チームは弁護士や捜査部門、広報部門のメンバーで構成し、新型ウイルス関連のいやがらせや差別の通報に対応する。
同委員会によれば、今年2月以降に入った通報は248件。このうちアジア人が標的とされたケースは4割以上を占め、昨年同時期の5件から急増している。
カーメリン・マラリス委員長は「たとえパンデミックのさなかであっても、人権侵害は許されない」と強調。新型ウイルス関連で差別を受けた人はぜひ報告してほしいと呼び掛けた。
チームは現在、住まいや雇用、公共施設に絡む人種差別の事例18件を調べているという。
マラリス氏はまた、トランプ大統領が新型ウイルスを「中国ウイルス」と呼んでいた発言などを問題視し、大統領の立場にある人物が市民の分断をあおることによる影響を深く懸念していると述べた。
ソーシャルメディアに流れる誤情報や憎悪発言を監視している米民間研究機関NCRIは今月発表した報告書で、新型ウイルスの感染拡大にともない、ネット上で反中国感情が急激に高まっていると指摘。新型ウイルスは中国政府が開発した生物兵器だとする陰謀説などが広がり、暴力に発展する恐れもあると懸念を示した。