トランプ米大統領が拒否権、対イランの軍事行動制限する決議案
(CNN) 米国のトランプ大統領は6日、イランに対する軍事行動を制限する超党派の決議案に対して拒否権を発動した。決議案では議会の承認なしにイランへ軍事力を行使する大統領権限の抑制を目指していた。
トランプ氏は声明で、今回の決議案について「非常に無礼」であり、事実や法律に対する誤解に基づいたものと述べた。
決議案は、トランプ大統領が今年1月にイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害した空爆の実施を決断したことを受けて、提出されていた。
トランプ氏はまた、今回の決議案について、共和党を分断させて11月の大統領選で勝利を収めようとする民主党の戦略の一環として提出されたとの見方を示した。
トランプ氏は決議案について反対を明言していたが、共和党が多数を占める上院でも決議案は可決していた。民主党が多数を占める下院では一部の共和党議員が賛成に回り可決していた。
決議案では、大統領に対して、宣戦布告やイランへの軍事力の行使を認めた特定の権限など明確な承認なしには、イランやイラン政府の一部、軍隊への戦闘のための軍事力の利用を停止するよう求めていた。
決議案には、米大統領は議会の承認なしに「差し迫った脅威」から米国を守ることを保証する条項も含まれていた。
トランプ氏はソレイマニ司令官殺害の空爆について2002年に成立したイラクに対する軍事行動を認めた議会決議によって承認されていたと指摘した。